北村先生や南波先生は、怒ると怖いと言うことで校内で知らない人はいない。
その先生を怒らせてくる……罰ゲーム以外の何物でもない。
それを命令したのが洋介先生と言うものだから、またそれは不思議な話である。
「何話してるの?」
涼との話が終わったらしい。
紘子が訊いてきた。
「何でもないですよ」
廉がニッコリと笑って答える。
彼は持っていた紙を、さりげなく私から取り上げてポケットへしまった。
「ふーん……まぁ、いいか」
「よく分かんないけど、仲良くやってるんじゃない?」
涼が目を下げる。
対して、私の目はつり上がった。


