「これ、どうしたの?」
「オレさ、あの藤原先生に連れていかれたじゃん」
「そうだったね」
「その時に問答法また喰らってさ」
「ざまあ」
「茶化すなよ」
廉がムッとした顔をする。
いやぁ、愉快愉快……じゃないか。
「まぁ、いいや。お説教が終わった後に、藤原先生から渡されたんだ」
「コレを?」
「うん。藤原先生、顔には出さなかったけど、捜査に参加したくてしょうがないんだって」
「マジでか」
「マジでだ。何か昔、法律の勉強もしたことあるらしいから血が騒ぐんだって」
「へー」
あの優しい顔の裏に、こんな一面を持っていたとは。
嘆息する私を見た廉は、楽しそうに笑った。
「驚いてるね」
「当たり前じゃん。だって私、洋介先生の事ほとんど知らないもん」
「そっか」
「で、この先生達は何なの?」
机に置いた紙を指で叩きながら、彼に尋ねる。
廉は再び首をかしげた。


