諦めて前を向く。
廉は難しい顔をして、何かを見ていた。
「何見てるの?」
「恵美ちゃんには、関係あるけど関係無い事だよ」
「……」
私だけハブか。
何か悔しい。
「冗談だよ。ほら」
廉は軽く笑うと、私に自分の見ていた紙を渡してきた。
何やら、先生の名前が四人ほど羅列されている。
「北村先生、南波先生、東先生……で、この西川先生って誰?」
「保健室の先生だよ」
「何で保健室の先生が?」
「さあ?オレにも分からない」
首をかしげ、不思議そうな顔でこっちを見てくる。
そんな顔で見られても困る。
こっちが訊きたい。


