「それで、こっちは二年六組の清水廉くん。まぁ、ある意味有名人」
「先輩、いきなり変なこと言わないでください」
廉も苦い顔で紘子を見つめる。
彼の文句も、彼女はどこ吹く風でいちごシェイクを飲んだ。
「こんにちは、恵美ちゃん」
「……こんにちは」
これだから嫌なんだ。
こいつも性格悪いなぁ。
涼が目を丸くしてこちらを見てくる。
無視だ無視。
廉はニヤニヤ笑い、プリン味のアイスに手をつけた。
「涼、高橋さんの話聞いてたんだよね?」
紘子が問い掛けると、彼は頷いた。
「ちょっと訊きたいことがあるんだけど……」
「何の話?」
「恵美はすっこんでて」
「……」
まぁ、しょうがない。
二人で秘密の話とかしたいお年頃だもんな。


