暇人達の華麗なる迷推理


「じゃあ、次の質問。
職員室からは西階段が一番近いのに、どうしてわざわざ遠い東階段を使ったのかな?」

「は!?」

意味が分からないよ紘子ちゃん。
どうしてそう言う考えになるのさ。

目を丸くする私に向かって、紘子は眉を寄せた。

「だって、私達は6時50分頃からずっと西階段を見てたんだよ?誰かが通れば分かる。
それなのに、洋介先生の姿は見当たらなかった。そうなると、先生は東階段から降りてきたことになる。
A館の階段はは西階段と東階段の二つしかないからね。どっちかが塞がっていれば、もう一方を使うしかないじゃん」

「ほー」

「これくらい、考えれば分かることだよ」