「アレが役に立つとは思えないけどな……」
そして今。
涼は頭を抱え、小さく唸った。
確かに、あの問答法の話が役に立つとは思えない。
それでも、言ったからには何か意味があるのだろう。
「問答法って相手の精神を削ってくんでしょ?それに耐えられなくなって、逆ギレする人とか出てきそうだよね」
ポテトをつまみつつ、紘子がそんなことを言う。
そして、彼女は頬杖をついて遠くを見た。
「ちょっとは、あの時の状況をまとめてみようか」
涼が手を叩き、携帯電話を取り出す。
彼は携帯電話を弄り、文字がびっしり書いてあるメール画面を開いた。


