「……」

また黙る。
こう言う空気苦手なんだけどな。

やがて、洋介先生は小さく頷いた。

「生徒が疑われてるのに、先生が見捨てるってワケにはいかないよね。
分かった。僕も君達を手伝うよ」

「あ、ありがとうございます!!」

思ってない返事。
期待以上のモノが返ってきた。

「ただし」

喜んでいる私達を、先生は指をピンと立てながら真剣な目で見た。

「僕も情報を教えるから、君達も高橋さんから聞いたことを教えるように」

ごめん、高橋さん。
ちょろっと口が滑った。

「あともう一つ」

「何ですか?」

紘子が不思議そうに尋ねると、先生はとびきりの笑顔をこちらへ向けた。

「事件のあった日、君達は階段で何をしていたのかな?正直に答えてね」

「……」

あぁ、相談する先生を間違えた気がする。