「そう言えば、何で紘子は廉に鉄拳制裁しないのさ?」
「んー?それはねー……」
楽しそうに立ち上がり、廉を呼ぶ。
何となく、私も彼らについていった。
彼女は男三人の前まで来ると、ピタリと足を止めた。
そして、笑顔でこちらに振り向く。
「清水くんには、洋介先生がいるからね。私が手を下すまでもないよ」
へらりと笑ってサラリと爆弾。
とんでもない事を聞いた廉は、慌てたように紘子に異議を唱えた。
「待ってくださいよ!そんなことしたら、オレ死んじゃいます!!」
「大丈夫。これくらいで死ぬほど、人間ってヤワじゃないから」
「いやいや!精神的な意味で死ぬから!!」
「大丈夫、大丈夫。じゃあ洋介先生、お願いします」
「うん。分かったよ」
廉の必死の弁明も虚しく、彼は洋介先生に連行されていった。
ハッハー!
ざまあ見やがれ!
ようやく、平和が訪れた。


