「ねぇ、君」

私も彼らの後に続こうとしたところ、清水くんに呼び掛けられた。

「何?」

「藤原先生、何かしたの?」

「……」

答えづらい。
と言うか……

「何でそう思うの?」

「だって、さっき刑事さんが~みたいなこと言ってたから」

「なるほど……」

自分に関係のない他人の話ほど、しっかりと聞いているものである。
清水くんはベンチから立ち上がり、私を見下ろした。

うおぅ、何かコイツも背が高い。

「で、何かしたよ?」

「何でもないよ。じゃあね」

口が滑る前に撤収した方がよさそうだ。
手をヒラヒラと振り、清水くんに背を向ける。

さて、玄関に戻ろうじゃないか。

私は職員室を後にした。