「ごめんなさい……」
「誰も謝罪なんて求めてないよ。ねぇ、どうして君はできなかったのかなぁ?」
「うぅ……」
怖い。怖すぎる。
この先生を怒らせてはいけない。
誰も何も言わず、緊迫した空気が漂う。
やがて、洋介先生が諦めたように溜め息をついた。
「……しょうがない。今日は時間がないから、許してあげる」
先生の言葉を聞いた清水くんが、ほっと息をついた。
先生は片眉を上げたが、特に言及はしなかった。
「待たせてごめんね。じゃあ、行こうか」
こっちを向いて、にっこりと微笑む。
笑顔に禍々しさは感じられない。
洋介先生は先陣を切って、職員室スペースから出ていった。
それに紘子がついていく。


