暇人達の華麗なる迷推理


清水くんは困ったように眉を下げ、相手の顔色を窺うように答えた。

「じゃあ、問答法で」

「うん、分かった」

洋介先生は頷くと、再び私達の方を向いた。

「もう少しだけ待っててもらってもいい?」

「いいですよ」

こりゃあ、長くなるな。
もう少しと言うほど、長いものはない。

洋介先生は清水くんの方を向くと、優しい顔で問い掛けた。

「じゃあ、聞くよ。君はどうして、このプリントの提出期限を守れなかったのかな?」

「それは……プリントがオレの前から姿を消したんです!」

まさに斜め上。
清水くんも清水くんで、おかしな返し方をしてくる。