「君には恫喝法か問答法、好きな方を選ばせてあげる」
「……え?」
男子生徒の動きが止まる。
清水くんって言われてたよな、確か。
「これが噂の清水くんかぁ……」
隣で紘子がしみじみと呟く。
彼女は清水くんをじっと見つめていた。
綺麗な黒髪に、右側に不自然に飛び出したアホ毛……だろうな、うん。
寝癖ではないハズ。
少し大きめの目は、不安そうに洋介先生の方へ向いている。
「清水くんの事、知ってるの?」
「うん。授業終わりとか先生に話聞きにいくと、たまに清水くんの話出るから」
「へぇ……」
堀田さんの話に出てきた清水くんも、この子なのかな。


