そして、右を見てみる。
……いた。
案外早く見つかった。
何やら、一人の男子生徒と向き合っている。
洋介先生は私達に背を向けていて、どんな表情をしているか分からない。
対して男子生徒の顔は青い。
お取り込み中かもしれないが、高橋さんを待たせているのでそうも言っていられない。
私達は先生に話し掛けた。
「先生、あの……」
「やあ、新井さんに庄司さん。何か用かな?」
「あの、高橋さんと言う刑事さんが先生に用があると……」
紘子が恐る恐る言う。
洋介先生は少し驚いたような顔をし、その後にっこりと笑った。
「分かった。でも、ちょっとだけ待ってもらってもいいかな?」
「大丈夫です!」
紘子も笑顔で頷く。


