「うん、これくらいだったら先生から警察の人に話しておくよ」
「それじゃダメなんです!」
何だこの先生、二時間サスペンス見たことないのか。
見た本人が警察に話さなきゃいけないのに。
「だから出ていってくれ」
「嫌です!」
証拠品だって持ってるし!
身体を意地でも動かさないと言う地味な抵抗をしていると、先生は涼の方を見て、
「それと、君はその鋏置いていって」
「……」
意地でも私たちを追い出すつもりらしい。
悔しそうに口を歪める紘子に対し、先生は鋏を差し出すよう手を出す。
少し顔を見合わせた後、涼は裁ち鋏を先生に渡し、私たちは階段を出ていった。


