「一本取られたよ。しょうがない、今回は特別だからね」
「やったー!!」
まさか本当に意見が通るとは。
ドラマみたいな事が起きた。
私達はハイタッチをし、高橋さんに向き直った。
何だかそわそわが止まらない。
「じゃあ、君達の他に死体を見つけた、藤原洋介(ふじわら ようすけ)って人を連れてきて欲しいかな」
「分かりました!洋介先生ですね!」
ノリノリである。
紘子は高橋さんに向かって敬礼すると、涼の方を向いた。
「涼は、ここで高橋さんと待ってて。私達、洋介先生呼んでくるから」
「了解!」
涼も涼で、いっちょまえに敬礼していやがる。
涼はにこっと笑って私達に手を振ると、高橋さんと話し始めた。
「じゃあ、行こうか」
私も紘子に促され、玄関を後にした。


