下駄箱に着き、靴に履き替えている二人に向かって、ハッキリと言った。
二人の手がピタリと止まる。
「情報って何?」
紘子が訝しげに訊く。
「廉から口止めされていたこと」
「……」
廉、ごめん。
でもね、これ以上隠しておく事がいいことだとは思えない。
「廉ね、東西南北の先生に怒られてこいって洋介先生に頼まれたらしいんだ」
「は、ハァ?」
涼の口から気の抜けた声が漏れる。
その反応は当然だろう。
私だって意味分かんないもん。
「で、実際に怒られてみたらしいんだ。
北村先生は、ネチネチとした問答法派。
東先生は、カッてなって怒鳴り付けたらしいよ」


