取り残された私たち。
時間もいつもより遅いせいか、職員室前でたむろしている生徒もいない。
そして、彼らの相手をする先生方もいない。
誰もいない、静かな空間となった。
外を見れば、いつの間にか日は暮れ、真っ暗になっていた。
「どうする?」
そんな中、涼が口を開く。
洋介先生がいなくなった今、職員室前に居座る理由はない。
紘子は腕を組むと、深い溜め息をついた。
そして。
「取り敢えず、私たちが先生から聞いたことを恵美に話す。で、恵美は答えられる範囲でいいから、清水くんから聞いたことを私たちに話す。
時間も遅いし、帰りながら話そうか」
「じゃあ、一旦教室に戻りますか!」
涼の言葉に、彼女は静かに頷いた。


