「どういうことですか?」
すかさず紘子が訊く。
何だろう、この嫌な予感は。
「ううん。大したことじゃないんだ」
「そうですか……」
「あとね、色々と犯人とか分かった気がする」
「……え?」
涼が声を発する。
彼はキュッと眉を寄せ、眼鏡を押し上げた。
突然の事すぎて、よく理解できない。
メモを見ただけで、全てを理解するとはどんな先生だ。
いくらなんでも、こればかりは無理があるんじゃ――
「まだ頭がまとまってない。それでも、犯人は間違いないと思う」
「先生、それで犯人は?」
ゆっくりと訊く紘子。
しかし、内心は早くと急かしているに違いない。


