暇人達の華麗なる迷推理




遅れて職員室前に行く。
廉と話しただけなのに、何故か疲労が溜まっていた。

紘子と涼の後ろ姿が見える。
何を話しているのかは分からないが、洋介先生の険しい顔が目に入った。

何も言わず、紘子の隣に並ぶ。

「あれ、恵美?話は終わったの?」

「終わった。全て終わった」

何もかも。
先程の会話を思い出すだけで、視界が滲んでくる。

「こっちも今ちょうど終わったばかりだよ。恵美、何か先生に聞きたいことある?」

紘子が小さく先生を指差す。
私はポケットから紙を出し、苦い顔をしている先生に渡した。

「これは?」

不思議そうな顔になった先生が、紙を受けとる。