「あのね、紘子が思ってる以上に私のプライドはズタズタなの!出会い頭に恵美ちゃんだし、何かバカにされっぱなしだし、もう廉なんて頭一回強く打っちゃえばいい――うおぅ!」
突然、紘子の肩から両手が外れた。
首元が苦しい。
ムッスリ膨れる顔を見た紘子が、小さく吹き出した。
「首根っこ……猫みたい……」
「うっせ!笑うな!」
振り向けば、廉が不機嫌そうな顔で襟首を掴んでいるのが見える。
彼は手を離し、恐ろしく落ち着いた声で言った。
「へぇ、オレってそんな風に思われていたんだ」
「……」
「そんなに紘子先輩達と同じ扱いにされたかったの?」
「……」


