それに対し廉は、少し大きめの目を細くし、私を見下ろした。
「恵美ちゃん、いくらなんでもこれはないんじゃないかな!」
「いや、ある!と言うか、今までの分全てだ!」
くそう!
これじゃあまだ収まりきらない。
もう一発殴ろうとしたところを、紘子に止められた。
羽交い締めを振りほどこうと、抵抗する。
「恵美!そろそろやめとけって!」
「収まらん!だって、だって――」
「はいはい。でもさ、清水くん見てみ?彼、怒ってるよ?」
「知るか!私だって怒ってる!」
紘子の羽交い締めを振りほどき、廉に背中を向ける。
そして、私は紘子の両肩を掴んだ。


