暇人達の華麗なる迷推理


あぁ、いつも通りだ。
いや、いつも以上に酷い。

「それにその足!転んだの?」

「そうなんだよ。体育の時間にさ」

私の代わりに小さく笑いながら紘子が答える。
彼女の隣で涼も吹き出していた。

「だってこいつ、宣言した通り転んで保健室行きなんだもん」

失礼な!
宣言なんてしておらんぞ!

ニヤニヤしている涼の腹を小突き、廉の方を向く。
彼も彼で、くつくつと笑っていた。

「……」

笑う度に揺れるアホ毛。
人の事で笑うなど、だいぶ失礼な話だが、それでも楽しそうに見える。