「そこの角で、ちょっと藤原先生と話していたんです。それで、先輩達の影が見えたのでここへ」
「えっ!?藤原先生いるの!?」
涼が驚いたように声をあげる。
「いましたよ。今職員室に戻っていきました」
「ありがとう!」
「いえいえ」
涼の質問に笑顔で答える廉。
分からない。
何か変だ。
具体的にどこがと聞かれると答えられないが、やっぱり廉の様子がおかしい。
「廉さ、風邪でもひいた?」
そんな言葉が口から出てきた。
「え、ひいてないよ?どうしたのさ、急に」
「何となく様子がいつもと違うなーって思って」
「いや、いつも通りだけど。恵美ちゃんこそ頭大丈夫?」
「……」


