「取り敢えず、洋介先生にアカネさんとの関係を聞きにいこうか」
「うん!」
紘子の呼び掛けに頷く。
彼女は涼の方を向き、感心したように溜め息をついた。
「最近鋭いよね」
「そうかな?俺は気付いたことを言ってるだけだけどな」
照れ臭そうに笑う涼。
そして、彼は立ち上がった。
「職員室、行こうか」
「そうだね」
何と言うか、珍しく今日は頼もしく見える気がする。
涼は眼鏡を押し上げ、教室を出ていった。
外の夕日が反射し、廊下はオレンジ色に染まっていた。
いつもの見慣れた風景だ。
その中に、見知らぬ影がポツンと。


