「おかしいよ。アカネさんは、いじめを誰にも言わずに我慢していたんでしょ?だったら、何で藤原先生が虐められてることを知ってるの?」
「それは、虐められてることを感じ取っていたんじゃないのかな」
「でもさ、アレは確信しているような口調だったよ。それに、おかしいのはそこだけじゃない」
「例えば?」
紘子が身を乗り出して訊く。
涼は思い出すように腕を組み、ゆっくりと言葉を吐き出す。
「これって、東西南北と田中先生に関する問題だったんでしょ?どうして藤原先生の方にまで話が回ってきたんだろう」
「言われてみれば……」


