話すことだけ話すと、洋介先生は教室を出ていった。
残された私たちは、隠蔽された真実に唖然としたまま。
どう反応していいのやら、答えも出ない。

途方に暮れ、窓の外を見ると、だんだんと暗くなってきていた。
西の方角に太陽が赤々と燃え、雲が紫色に変化している。
明日は雨になるのかな。

「これからはどうしたらいいんだろうね」

ふと、壁の時計を見ていた紘子が口を開いた。

「話は聞いた。それでも、コレが解決の糸口になるとは全く思えないよ」

「確かに……」

涼も彼女に賛同する。
彼は、今までとったメモを見ながら頭を抱えた。