*
時間がただ過ぎていく。
ぼんやりと、ただ白いノートを見つめるだけ。
担任にも、どうしてあんな時間に階段にいたのかと問われた。
適当に帰る途中だったと言って、解放してもらった。
信じてもらえたかどうかは、謎である。
放課後。
玄関で靴を履き替え、帰ろうと鞄を背負い直す。
そこへ、見知った顔が現れた。
「やあ、君たち。少しは元気になった?」
「高橋さん!」
紘子と涼が同時に声をあげる。
この間、私達の取り調べを担当した刑事さんだ。
名前は……確か、高橋光樹(たかはし こうき)とか言ったハズ。
「どうしたんですか?やっぱり、捜査ですか?」


