「知っています」

涼が頷く。
花形さんが救ってくれた命だけど、ここまで来たら捨てる覚悟で挑むしかない。

「……」

再び、沈黙。
やがて、洋介先生が口を開いた。

「……録音はしないで聞いてね」

「はい」

「君たちの頭で、覚えておいて欲しいんだ。証拠が残ると、お互いに厄介だ」

「……」

「それほど、学校にとっては秘密にしておきたい話なんだよ」

「……はい」

覚悟はできている。
力強く頷くと、洋介先生はもう一度私たちを見回した。

そして、少しの間だけこめかみを押さえ、ゆっくりと話始めた。