「松葉さんの事、詳しく訊きたいんでしょ?」

「……はい」

先生には、何でもお見通しなのだろうか。
素直に頷くしかない。

紘子は膝の上で拳を固く握りしめ、意を決したように先生に向かって言った。

「先生、アカネさんの事件について包み隠さず教えてください。もう、後には退けないんです」

学校を退学になっても。

そう付け加えた彼女の目は、少し潤んでいたような気がした。

洋介先生は、しばらく私たち一人一人の目をじっと見つめていた。
そして、小さく溜め息をついた。

「僕が言うのもおかしな話かもしれないけど……君たち、相当危ないところまで来ているよ」