暇人達の華麗なる迷推理


ただ、ちょっと美人な普通の高校生だったのに。

もはや、誰も喋らない。
紘子も涼も各々違う方向を見て、何やら考え込んでいるようだった。

その時、5時を告げるチャイムが鳴り響いた。
それと同時に、教室のドアが開く。
一斉にドアの方へ向く私たち。

「あ……」

洋介先生だった。
まさか5時ぴったりに来るとは。
先程まで話をしていたことを引きずっているせいか、どう反応したらいいのか分からない。

困ったような目で先生を見る。
彼は何も言わずに私たちの側に寄り、近くの椅子を引いて座った。

そして、おもむろに口を開いた。