暇人達の華麗なる迷推理


何だこの悠然とした動きは。
何か腹立つなこの野郎。
野郎じゃないけどこの野郎。

そんな彼女に向かって、涼がハッキリとした声で告げる。

「だからね、新井が藤原先生を疑いたくない気持ちも分かるけど、真実を突き止めるには疑わなくちゃいけないときもあるんだ」

「そんなもんなのかなあ」

「うん。お世話になっている先生を疑いたくないのは皆同じこと。
俺だって北村先生の事を疑いたくないし、庄司だって南波先生の事を疑いたくないはずだ」

うん、涼の言う通り。
私だって、お世話になった顧問の南波先生の事なんか疑いたくなかった。
正直嫌だった。
それでも、やはり動かなければならないときもある。