それに涼の言う通り、あの事件を一番早く持ち出してきた。
知りすぎと言うか、洋介先生自体が、あの四人と田中先生とアカネさんの事件に固執しているような気がする。
「洋介先生、何かあったのかな……」
思わず、口に出る。
考えれば考えるほど、洋介先生が怪しく感じられてしまう。
「もしかしたら、藤原先生が四人の先生をけしかけて田中先生を殺したとか――」
「そんなわけない!」
紘子が机を叩き、反論する。
彼女は眉間に深いシワを作り、どこか苦しそうな顔をしていた。
「だって、だってあの真面目な洋介先生だよ?そんなことするわけないじゃん!」


