「藤原先生、何か逆に怪しいよな」
ポツリと涼が呟く。
手を顎にあて、考え込んでいる。
紘子は顔をあげ、目を丸くして彼を見つめた。
「何でそう思うの?」
「いくら先生とはいえ、何か知りすぎない?」
「そんなことはないと思うよ。やっぱり一人の生徒が行方不明になる事件なんて、みんな知ってるよ」
「それにしても、直結しすぎない?藤原先生は、田中先生が殺された次の日にその事件のことを持ち出したんだよ?」
「……」
紘子は言い返す言葉がなかったらしく、少し悔しそうに口を閉じた。
言われてみれば、確かにその通りだ。
あの四人の他にも田中先生の事を恨んでいたかもしれないのに、洋介先生はすぐにその四人の先生に限定した。


