キランとポーズを決めて言ってみる。
紘子は無表情のまま、私の頭をひっぱたいた。
「落ちてくるなら、もっといいものが落ちてきたらよかったのに」
「お、親方、空から女の子が……!」
「今いらない。そう言うのいらない。
と言うか、落ちてきたのは女の子じゃなくてオッサンだし」
「お、親方、空からオッサンが……!」
「いらない。ロマンがない」
息をふーっと吐き、呆れたように私を見てくる。
彼女は近くの椅子を引き寄せ、声を潜めて話す。
「この件について、一つやりたいことがあるんだけど」
「何?」
「この事件……私達で解決しないか?」
「……は?」


