*
今日の授業は全て終わった。
後は家に帰るだけだ。
そんなことを思い、荷物をまとめていると、紘子が寄ってきた。
「ねぇ、私たちも話訊きにいこうよ!」
「誰に?」
「洋介先生に!」
「うー……」
朝にあんな話を聞いたせいか、乗り気にならない。
これ以上進めたら、もっと他人に迷惑を掛けそうだ。
渋る私の腕を、彼女が引っ張る。
「何で今さら渋ってるの?」
「……もう嫌だ。降りたい」
「そんなことしたら、今まで調べてきたこと無駄になるじゃん!」
「そうだけどさあ……」
そうなんだけどもさ。
「ここでやめにしないと、本当に危ないことになる気がする」