「何かね、また学校で嫌なものが見付かったらしいよ」
「嫌なもの?」
「うん。女の子の死体だって」
「……」
「もう嫌になっちゃうよね。転校したいってみんな言ってた」
「ですよねー」
そりゃあそうだろう。
誰だって、死体の出る学校になんていたくない。
下手したら、次は自分が殺されかねないと思っているはずだ。
「ここって、意外と内部で荒れてるのかもしれないね」
ふと、彼女が遠くを見ながら呟く。
「私たちの知らないところで、何かが動いていると言うか」
「そうだね」
「嫌だなあ。早く卒業したいな」
そう言う彼女の顔は、どこか哀愁が漂っていた。