「古くても、証拠は残っているものだよ。彼女の首に、ロープの痕が残ってた」
「でも……自殺ってことも、考えられるんじゃないですか?」
紘子の言う通り、首吊りという線も考えられる。
それに対し、高橋さんは小さく唸った。
「そう言われてみればそうかもしれないけど……」
「もしかしたら、彼女に何かあって辛くなって自殺したのかもしれませんよ?」
涼も紘子に加勢する。
私も小さく頷いた。
すると高橋さんは手帳を捲り、小さく溜め息をついた。
「本当は自殺って考えたかったんだけど、抵抗した痕が残っていたんだ」
「え……?」
「死体の保存状態がよかったからね。全て残っていたんだ」
「……」


