「何ですか、これ?」
「美味しいでしょ」
「美味しいですけど……」
不思議な感じがする。
ふと涼の方を見てみれば、同じように目を丸くしている。
「チョコーヒーだよ。この店しか無いんだ」
何で高橋さんそんなに嬉しそうなの。
言われてみれば、微かにチョコレートの味がする。
この味、結構好きかもしれない。
そんなことを思っていると、高橋さんは腕を組んで小さく唸った。
「それにしても……松葉さんのこと、調べなくちゃいけないね」
「そうですね……」
紘子も彼に同意する。
彼女はカップをテーブルに置き、小さく溜め息をついた。


