「あの女の子、松葉さんと言うらしいね。上履きに書いてあったよ」 「はい。俺たちも、見付けた時に確認しました」 「そして、腕が無かった。と言うことは、やはり田中先生が持っていたものは、彼女の腕だったんだろうね」 「そうだと思います。たぶん、切り取ったんだと……」 涼の言葉の語尾が萎んでいく。 彼の言葉を聞いた高橋さんは、少し満足げに頷いた。 「じゃあ、何で田中先生は腕を持っていたのかな?」 「そ、それは……」 分からない。 頭を捻り、今まで読んできたミステリー小説のネタを思い出す。