「ケイ兄……私たちのせいで……」
少し泣きそうな紘子である。
彼女は大きく息を吸うと、高橋さんの方をキッと見つめた。
「ケイ兄……いや、花形刑事は今どうしてますか!?」
「え?花形くん?」
高橋さんが面食らったように言葉を吐く。
そして、小さく溜め息をついた。
「花形くんなら……今、ちょっと危ない状況かな」
「……」
やっぱり。
捜索状も無いのに捜査しちゃったら、そりゃあまずい状況にもなるわな。
花形さんは、私たちの事を思って逃がしてくれた。
改めて、申し訳ない気持ちが波のように襲ってくる。
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