すぐさま、警察官の方へよる。
「あの、高橋さんいませんか?」
少し遠慮がちに紘子が訊く。
彼は下から上までじっくり私たちを見て、怪訝そうな顔をした。
「高橋刑事なら中にいるけど……君たち、何者?」
「……」
そう訊かれると、ちょっと答えられないな。
困ったように顔を見合わせる私たち。
これは、何て答えたらいいんだろうか。
「ほら、関係ない人達は帰って」
「そんなこと言われても!」
「だったら、何で高橋刑事に用事があるの?」
「そ、それは……」
答えられない。
食い下がるにも、材料がないので色々とキツい。


