「どうして、講堂に、何かあると?」
途切れ途切れになりながら、何とか尋ねる。
彼女はアカネさんの方を向き、答えた。
「『こうどうダメ』って紙、最初見たときから何か引っ掛かってたんだよね。何がって言われると分かんないけど……」
「……」
「それで、昨日未来の話を聞いてハッキリしたよ。
『こうどうダメ』の『こうどう』は、『行動』じゃなくて『講堂』なんだとね」
「なる……」
気が付けば、花形さんが携帯電話を片手に講堂に入ってきた。
どうやら、連絡をとってきたらしい。
「紘子ちゃん達、早くここから逃げた方がいい」
「え?何で?」
紘子が首をかしげる。
花形さんは青い顔で、講堂の入り口を指差した。


