納得したように何度か頷く。
紘子の隣で花形さんがハテナを浮かべる。
「講堂?何で?」
「何かね、いいものが見つかるかもしれないんだ」
「いいもの?」
「うん。ケイ兄、女のコ好きでしょ?」
紘子、そう言う問題じゃないと思う。
警察のいる前で幽霊探すなど、許される事なのだろうか。
これで、また変な死体でも見付かった暁には……私たち、退学させられるかも。
そう考えると、ゾッとする。
紘子は周りに誰もいないことを確認すると、ドアノブを回した。
カチャリと金属音が響き、ノブが回る。
鍵は掛かっていないようだ。
彼女はもう一度周りを見回すと、ドアを引いて入っていった。


