見知らぬ男の人に話し掛けている紘子。
物凄く、危ないんじゃないか。
しかし男性は困ったようにニカッと笑い、頭を掻いただけだった。
「そっか!その手があったな!」
……何この人、バカなの?
呆気にとられる私たちを置いて、二人の会話は続く。
「えーっと、誰に用なの?」
「藤原洋介って人に、話を聞きたい」
……もしかして、この人も警察関係者?
「そっか。洋介先生、多分職員室にいると思う」
「ありがとう、紘子ちゃん」
……紘子ちゃん!?
思わず涼と顔を見合わせる。
ここで、ようやく紘子が私たちの方を向いた。
その顔は、少し呆れていた。


