翌日、妙な気持ちのまま授業を受ける私がいた。
紘子は講堂に行こうと言っていたが、少し躊躇いの心が生まれる。

講堂には……行っちゃいけない気がする。

「――司、庄司ー!」

「は、はい!!」

慌てて返事をして前を向く。
教科書を持ったまま、現国の先生は呆れたように私を見ていた。

「ぼーっとし過ぎ。教科書137ページから読んで」

「はーい……」

開いてある教科書に目を落とす。
いつもダメだが、今日はもっと調子が悪い気がした。

チラリと紘子の方を見る。
彼女は私の視線に気付くわけもなく、ノートに落書きをしていた。