何か呆れられてる気がする。
彼女は溜め息をつき、メモ帳を閉じた。
「取り敢えず、明日何とかして講堂に行ってみよう」
「了解!」
コクリと頷く。
その時、涼が辺りを見回して不思議そうな顔をした。
「そういえば、例の後輩は?」
少し躊躇いがちに訊く。
紘子は何事も無かったようにココアを口に含む。
彼女がカップを置く音からして、中身は空っぽになったようだった。
畜生……
「帰ったよ」
「あれ、意外だな」
「うん。ちょっと、身の危険を感じた」
そう言って、紘子は小さく身震いした。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…