しょうがない。
ここは黙るか。
「恵美、調子悪いのはどうしたの?
私のに付き合えないくらいじゃ、杵島クンのも無理なはずだ・よ・ね?」
「……」
何ともまあ、痛いところを突いてくること。
口元は笑ってるのに、目が全然笑ってない。
頭をフル回転させ、最高の言い訳を考える。
しかし、私の口から出てきたものは、最高とは程遠いものだった。
「いや、たまたま調子よくなったんだって!
それで、紘子追いかけようとしたら分かんなくなっちゃって……
それで、たまたま涼と会ってビルの中に入ったらたまたま紘子がいたけど、未来ちゃんと楽しそうにしてるから邪魔しちゃいけないと思って……
なんやかんやしつつ、入るタイミング窺ってたんだ!」


