暇人達の華麗なる迷推理


どうしてこの学校は怖い噂が沢山あるのだろうか。
そして、極めつけは講堂と来た。
面白いと言われれば面白いかもしれないけど……

「明日辺り行ってみる?」

涼が小声で訊いてくる。
私は首を振った。

「でも、用がない限り講堂に出入りなんて出来ないよ」

「そっかぁ」

「それに、今度講堂を改装工事するって言ってたじゃん。もう入ることなんて出来ないんじゃないかな?」

「そんなもんなのかなあ」

小さく溜め息をつく涼。
私も調べたいけど、こればかりは先生の許可が必要そうだ。

下を向き、どうしたらいいのか考える。
何も思い付かない。

「あ」

涼がふと声をあげた。
彼を見てみれば、私の後ろを見て固まったままでいる。
私も振り向いた。

「……いない」

いつの間にか、後ろの席は空っぽになっていた。

「ねぇ、君たち。何をしてるのかな?」

すぐ横から聞こえてくる底冷えする声。

……あぁ、終わったな。