暇人達の華麗なる迷推理


向こう側に、しばらく沈黙が落ちる。
それに合わせ、私たちも話をやめた。

「で、本当にいないんですか?」

未来ちゃんの声が聞こえる。
私からはよく分からないが、少し切羽詰まっているように感じる。

「いないよ。今はいない」

「そうですか……」

何で落ち込んでるの未来ちゃん。
少し意味が分からないよ。

「もしかして、彼女ってそういう感じ……?」

涼が小さく訊いてくる。
私は首を振った。

「違うと思うけど、そのように感じちゃうのは何でだろうね」

「分かんない。でも実際のところ、後輩と新井ってあんまり話したことないんでしょ?」

「ますます怪しい……」