「何か買ってくるよ。何がいい?」
「いやいや!私も行くよ」
「いいから座ってて。そんで、新井たちの事見てて」
「……はーい。じゃあ、ココアで」
私はカバンの中の財布から、小銭を取り出した。
それを涼に手渡す。
彼はそれを受け取ると、カウンターへ向かった。
何か色々とありがとう。
そして、申し訳無い。
「さてと……」
カバンの中からメモ帳を取り出し、開く。
ボイスレコーダーは高橋さんに預けてしまったため、使うことはできない。
何とか耳で聞き取るしかない。
ペンをクルクル回していると、二人が席に戻ってきた。


